"アクチュアル"活用事例2023
〈事例⑥〉信頼のおける教材だから, 教員の負担軽減につながる
北海道苫小牧東高等学校 田中悠太
- 2024.02.15

北海道苫小牧東高等学校は,苫小牧市にある道立の高等学校。「恵礼勤労」を校訓,「自主自律」「文武両道」を校風とする同校は,道内屈指の進学校として知られ,また,部活動でも優秀な人材を数多く輩出してきている。
今回は,同校探究委員会の田中悠太教諭に,探究学習の取り組みや“アクチュアル”の活用方法についてお話を伺った。
“アクチュアル”導入の決め手

昨年度(令和4年度)・今年度(令和5年度)と,1年生はグループで「苫小牧駅前の活性化」に取り組んできた同校。昨年度は一人の教員のマンパワーに頼りがちだったため,同じテーマであっても探究学習をより充実させられる教材やサービスを導入できないか,今年度に向け検討していたという。BYODの導入が決まったこともあり,探究学習のポートフォリオ等を一元管理できるオンラインツールとして活用できるのではないかと考え,“アクチュアル”の導入を決めたと田中教諭は語る。
“アクチュアル”を使った探究学習
6月から2月まで続く「苫小牧駅前の活性化」の中でも,特にフィールドワークの実施方法やスライドの作成方法を,生徒自身で“アクチュアル”を参照して学ぶよう指導してきたと田中教諭。 “アクチュアル”課題研究編に収録されている「フィールドワーク」「スライドの作成」といった教材が役に立ったようだ。


具体的には,同校では教員が連絡事項等を記した学年通信を発行し,生徒へ配布している。総合的な探究の時間においても,探究委員会が学年通信を作成し,毎時の活動を生徒に周知しているが,例えばそこに「“アクチュアル”でスライドの作り方を確認してから,スライド作成に取り組むように」と記して,繰り返し生徒にアクセスさせたという。


“アクチュアル”導入の効果
田中教諭は導入効果として,まず「教員の負担軽減」を挙げた。“アクチュアル”のここを見るようにと生徒に伝えるだけで済むので,毎時毎時の総合的な探究の時間について,探究委員会が自分で手を動かして準備する手間が要らなくなったと評価している。
そして「教員の負担軽減」と関連する効果として挙がったのが,“アクチュアル”が「信頼できる教材」であることだ。専門教科を持つ中で探究学習にも関わるとなると,十分時間をかけて授業準備を行うのは難しく,教員が自ら考えて教材を作っても,本当に内容が合っているのか,なかなか検証する時間も取れない。そんな中で“アクチュアル”のような信頼のおける教材をすぐに生徒に使わせられるのはとても助かったと田中教諭。また,“アクチュアル”の教材には信頼がおけ,参考となるサイトのURLが適宜示されており,こうしたURLを自ら収集する手間が省けた点でも助かったという。
ICTツールとしての“アクチュアル”
同校では,導入当初はデータの保管をすべて“アクチュアル”で行い,探究学習のポートフォリオ化を目論んでいた。ただ,実際に使ってみると同校の実情と合わないところが出てきたため,データの保管は他のツールの利用へと切り替えたとのこと。こうして,ツール+教材として成り立っている“アクチュアル”を教材としてだけ使うことへ舵を切った結果,利用目的がはっきりしたため,かえって“アクチュアル”を使いやすくなったと田中教諭は言う。
探究学習におけるICT活用については,今年度はGoogleスライドやCanvaの共同編集機能を活用して,グループでスライド作成に当たらせたそうだ。

今後の探究学習について,そして“アクチュアル”に期待すること
「苫小牧駅前の活性化」に取り組んだ今年度の総合的な探究の時間では,発表の機会が年明けの一度しか持てなかったのが反省点だと田中教諭。次年度の1年生も「苫小牧駅前の活性化」に取り組む予定だが,前期(同校は二学期制)の早い段階で発表の練習をする機会を何度か作ろうと考えており,1コマでも探究のプロセスを体験でき,発表まで行える,“アクチュアル”のミニ探究を活用して行きたいという。
探究学習は教科学習よりもはるかに早く話題や関心が変わるので,そうした変化と関わりを持っていく上でも,教材・サービスは引き続き導入していきたいと語る田中教諭。オンライン教材であれば,こうした変化への対応も早いはずなので,“アクチュアル”の今後の更新には期待しているという。
最後に田中教諭は,教員全員が探究学習について理解できているわけではないと指摘した上で,それでも学年通信を通して“アクチュアル”のこれをやればいいと生徒に伝えれば授業が進んでいき,学びのペースを統一できた点が今年度の担当者として何よりありがたかったと語り,話を締めくくった。
◎「総合的な探究の時間」の授業風景
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