"アクチュアル"活用事例2022
〈事例④〉“アクチュアル”の教材は素晴らしい
東奥義塾中学校・高等学校 川村泉/井上嘉名芽
- 2022.11.10

今年創立150周年を迎えた,青森県弘前市にある東奥義塾中学校・高等学校。「グローバル人材の育成」を理念に掲げる同校はICTの活用にも積極的で,2020年度には東北の高校で初めて学校情報化優良校に認定された。現在は生徒一人ひとりにiPadを持たせて,Google Classroomなどを積極的に活用している。
今年度よりBコース(総合コース)の高校1・2年生に”アクチュアル”が導入されたのを受け,今回,同校の「総合的な探究の時間」(以下「総探」)の授業を実際に見学し,その後,進路指導部の川村泉教諭,情報科主任の井上嘉名芽教諭にお話を伺った。
これまでの探究学習と”アクチュアル”導入まで
同校のBコースでは,これまで担当の教員を決めてその教員が「基礎講座」と題して講義を行い,講義のテーマに沿って探究学習を行っていた。しかしながら,この方式では講座を担当する教員の負担が大きく,負担が偏らずに取り組める教材を検討することにしたという。
検討を経て”アクチュアル”に決めた理由について,川村教諭は「ミニ探究・ミドル探究のラインナップが面白そう」という点をまず挙げる。また,生徒たちが小さな課題をこなしながら,探究のやり方を身に付けていける点も魅力を感じたという。「壮大なテーマに立ち向かうのではなく,本当に身近なところから着実に探究に取り組んでいける」(川村教諭)教材が揃っていることが,導入の決め手になったようだ。さらにはまた,費用が高くない点もありがたかったという。
「ミニ探究」の取り組み
“アクチュアル”を使うに当たっては,3月末~4月初めに1・2年生を担当する先生方に集まってもらい,川村教諭が「ミニ探究」「ミドル探究」の教材を組み込んだ授業計画を提案。それをもとに各学年でどの教材を使うか,検討して取り組んでいるという。
今回授業を見学した1年生の「総探」では,ミニ探究2-2「AとBどちらがいいか?」に取り組んでいた。クラスによって進度や取り組み方に多少の違いはあったが,見学当日は既に,比較できそうなものを書き出すワークシートは済ませてあり,リストアップされた対象についてグループで調査するステップへと進んでいた。グループで調べた結果はリーダーが教員へ提出,また最後にはルーブリックの自己評価シートも提出させるという。「二者のどちらが優位か,明確な根拠・理由をもとに考え,説明する力をきちんと身に付けさせたい」と川村教諭は語る。
「ミニ探究」を使った授業の様子

今後”アクチュアル”に期待すること
こうしてスタートした,”アクチュアル”を用いた探究学習。「ミニ探究」「ミドル探究」の教材は素晴らしいと先生方は口を揃えるが,ICT活用については使い勝手の更なる向上を期待しているという。
「現状,ワークシート類はMicrosoft WordやPowerPoint等のファイル形式で提供されているが,これをGoogle Workspace for Educationの形式で用意してもらえるととても助かる」と語るのは,ICTコーディネーターも務める井上教諭。また,井上教諭からは「活動の流れに沿って複数用意されているワークシートや提出用ファイルは,一つのファイルにまとめた方が活動の流れがよくなるのではないか」という提案も。
よりよい探究学習を目指す学校をサポートすべく,”アクチュアル”はこうした要望に真摯に向き合っていくつもりだ。
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