新体力テスト――20mシャトルランを解説!

新体力テストの中で行われる20mシャトルランについて詳しく解説します。
■20mシャトルランで、何がわかる?
全身持久性を調べることができます。この能力が高いと一定の強度の運動や作業を長く続けることができ、一定時間にあらわれる疲労度も小さくなります。また、より高い強度で一定時間の仕事をすることもできます。つまり、この能力が高いと全身で行う作業量(運動量)が大きいことを意味します。
なお、持久性を起因する因子には心臓や肺、血管系、さらには筋の代謝系などが含まれているため、このテストの成績が高いと、呼吸循環・代謝系の機能が高いことが分かります。
■なぜ20mシャトルランで、最大酸素摂取量が推定できる?
運動中の酸素摂取量は運動強度に比例して直線的に増加し、やがて頭打ちになります。これが最大酸素摂取量です。したがって、ある一定条件の走運動を行わせて、走速度と酸素摂取量との関係をあらかじめ求めておき、最大どの速度まで持続可能であるかを測定すれば、最大酸素摂取量(推定表)を推定できます。
■20mシャトルランを実施するのはいつ?
新体力テストにおいては、「20mシャトルラン」や「持久走」などの持久性テストを最後に測定するようにします。持久性テストは全身的な身体活動であり、最大努力を要します。したがって、このテストの後でほかの測定を行うと影響が出る可能性が高くなります。一方で、持久性テスト以外の項目についてはとくに順番は定められてはいないため、測定の順番は自由に決めることができます。
『体育科教育』2000年5月号p.47,49を一部改変
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