シリーズ保健体育統計資料
第2回 性に関する知識や情報の入手方法②

シリーズ保健体育統計資料では,保健体育に関連する新しい統計資料を紹介していきます。第2回は,第1回に引き続き,高校生の性に関する知識や情報の入手方法についてです。
前回は,日本性教育協会の「青少年の性行動」から,「セックス(性交)について,どこから知識や情報を得ていますか?」という質問に対する回答を紹介しました。今回は同じ出典から,「避妊方法について,どこから知識や情報を得ていますか」という質問に対する回答を紹介します。前回と同様,2006年調査と最新の2018年調査の結果を比較してみましょう。
まずは,高校生男子1,086名,高校生女子1,093名を対象とした,2006年調査の結果です。

「学校の授業や教科書」がもっとも高く,「学校の先生」「友人」が上位を占めています。また,「親やきょうだい」「ポルノ雑誌/アダルトビデオ」などは,性差による違いがみられます。
次に,高校生男子2,127名,高校生女子2,149名を対象とした,2018年調査の結果をみてみましょう。

2006年と2018年の調査では,選択肢が異なっているため,単純な比較はできませんが,「学校(先生,授業や教科書)」「友人や先輩」が依然として上位を占めています。また,「インターネットやアプリ,SNSなど」の割合が上昇しています。背景にはインターネットやスマホの普及など,高校生を取り巻く社会環境の大きな変化があるのではないかと推察されます。
インターネットやスマホの普及に伴い,性に関する知識や情報へのアクセスが容易になった側面もあります。しかしながら,インターネット上には,性的な関心を刺激するための偏った情報や,科学的な根拠に基づいていない誤った情報もあふれています。高校生がそうした情報に惑わされないために,学校や先生に求められる役割は大きいと言えそうです。
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