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『書く』を語ろう
②『書く』って『深く読む』こと

 

「書く」というテーマから「振り返り」「言語化」というキーワードに広がってお話が進んだ前回 (①スポーツに活かせる『書く』出版物)。
今回は「自分で振り返る」「それを継続する」ためのヒントをお届けします。

 

第2回『書く』って『深く読む』こと

 

自己分析のためのヒント

【桜間(以下,桜)】ダイアリーには「女性アスリートのための基礎知識」という内容の読み物があり,そこにはいわゆる「正解」が書いてあります。
これを見ながら,「私はここが違うけど,自分の特徴かな?それともFATや病気の症状なのかな?」というふうに,気づきや考えるヒントにしてもらえるといいですね。
早い段階で,病院受診などを考えるきっかけにもなります。


【荒井(以下,荒)】専門家がそばにいなくても,誰かと一緒に見返したり話したりすることが大事だと思います。親でもきょうだいでも先生でも友達でも。
自分が話しやすい人と共有しながら話すことによって自分の考えがさらに整理されるので,コミュニケーションをとりながらアウトプットすることが大事ではないでしょうか。

心理検査についても,回答を「書く」という作業の中で自然に項目を「深く読む」ことにつながっていて「書く=深く読む」につながるんだなと感じています。
定点観測(半年・1年に1回,シーズン前後など)でいいと思います。他の人とではなく,これまでの自分との比較・分析が必要ですね。

 

とはいえ「書く」を継続するって難しい・・・

【荒】女性でも現役アスリートでもないですけど,私,今このダイアリーをつけているんです。

【桜】えー!(歓喜)

【荒】ずばり継続するためのポイントは,「全部書かない」ことではないでしょうか。
たとえば摂取した食材の記入欄も,朝食・昼食・夕食を分けて書くのはなかなか大変で・・・。
「3食の中で取った食材をまとめて記載する」というマイルールを設定したところ,継続できています。

 


勝手におすすめしていいのかはわかりませんが,書きにくいところは書かないというのも継続のための一つの策かなと思っています。

・・・大丈夫でしょうか?(笑)

【桜】大丈夫ですよ(笑)大変だという方は,継続して記録する項目をご自身で選択していただいてもいいと思います。
ただ,変化を見ていくことが大事なので,日によって記録する項目を変えることはおすすめできません。

【荒】なるほど。まずは,自分にとって大事・必要な項目を書いていくことからですね。

 


【桜】「継続している」こと自体が,さらに継続するためのモチベーションや自信につながったりします。
また,継続していることについての周りからの前向きな声かけやアドバイスも,あるとパワーになるのではないでしょうか。
 

紙の良さ

【荒】推移がわかることですね。
たとえば「3日連続で睡眠時間が短いときついな」「日常的な体温はこのくらいだけど,寝不足が続くとこうなるな」とか。
変化が目に見えやすいことですね。一見しやすい


【桜】紙に書くことで自分の気持ちや状態を整理できること。
さらに,整理するために一度頭に思い描いているので,実際の行動に影響しやすいのではないかと感じます。
「書く」ことは,パソコンやスマホにタイプするより,頭(記憶)にも残りやすいと思います。

(2021年1月29日取材,企画・編集=大修館書店編集部)

 

JISS競技心理検査』『女性アスリートダイアリー2021』の制作に携わられたお二人のお話から,『書く』ことの魅力を再認識することができました。
ありがとうございました!

第3回は,選手時代に「書く」ことに取り組み,現在は指導者として活躍中の女子バスケットボールの藤岡麻菜美さんのストーリーです。

▶▷第3回 書いて私が気づいたこと

▷▶︎【番外編】書いた私のその先に

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